秋田県大館市早口李岱。李岱稲荷神社。

参道石段鳥居。

昭和56年11月吉日、奈良田千代吉奉納。

境内社。何かはわからず。

牛身安泰之攸（和牛の健康祈る）

和牛。

裏面…『和牛の無病息災、農家経営の安定を念願する。昭和56年10月10日吉日、佐藤善治64歳建之、協力者：妻カツ60歳』

参道石段。

早口は田代岳の西側を南流する早口川沿い一帯と、米代川に合流する付近の米代川右岸に位置。地名は早口川に由来。江戸期の早口村は出羽国秋田郡北比内のうち。秋田藩領。村高は正保国絵図早口新田当高118石余、享保黒印高帳村高904石余・当高592石余（うち本田129・本田並146・新田317）、寛政村附帳当高522石余（うち蔵分125・給分397）、天保郷帳672石余。寛政年間の家数150軒、安政年間239軒。羽州街道が横断、本陣も宿場もありませんが助郷を負担。枝郷は出口村・下比立内村・上比立内村・坂（板）地村・大代野村・中信田（中子田・中仕田）村・岩野目村・李台（李岱・李代）村・大淵村・中谷地村・高卒（高岨）村・深沢村・大野村などがありますが、鉱山の開発と関係して時代とともに消長があります。ほとんどの地域が御留山で、津軽と境を接し3ヶ所の御境方仮戸小屋場があり山拠人がいましたが、隣村岩瀬・山田両村のために津軽境目山廻人足役は大きな負担でした。矢櫃鉱山・比立内鉱山（正保元年より）・金堀沢鉱山（寛永6年に開山、潰れてのち享保4年から再開）・中野沢鉛山などが小規模ながら次々と開発。鎮守は八幡・伊勢・稲荷の3社。明治17年長坂・外川原諸村と連合、早口村に戸長役場が置かれました。同22年北秋田郡早口村の大字となります。明治24年の戸数416・人口2,854。長坂字坂地に役場が置かれました。昭和22年町制を施行。昭和31年山瀬村と合併して田代町成立。3大字は田代町の大字に継承。

狐一対（昭和14年旧2月1日、当村、木村由藏42才）

石灯籠一対（下記戦陣訓参照）

戦陣訓…『海行かば水づく屍 山行かば草むす屍 大君の辺にこそ死なめ 歸り身はせず 平成14年9月吉日 願主木村由美』

裏面碑文…記『昭和16年2月10日秋田第十七聯隊入隊。一週間後満州国牡丹江省綏南第848部隊に編入。ソ満国境の警備に着く。以来3年6ヶ月後、昭和19年8月動員下令に依り南方フィリピン、マニラ、バタンガス地点まで約40粁、我が848部隊拠点地域でその警備に着く。陣地構築せり。昭和20年1月より米国との戦い激しくなるも同年9月27日戦斗中止となり、タヤバス小学校々庭にて武装解除となる。戦斗中止後カランバン捕虜収容所に集結、米軍倉庫其の他の労役に従事させられ約2ヶ年後、昭和21年11月マニラ港出航、名古屋港に上陸解散となり復員となる。以上軍歴を申し上げ李岱稲荷神社の御厚拝を祈念して此所に石灯籠一組を奉納す。平成14年9月吉日82歳 奉納者木村由美』

不明の碑2基。

社殿。

拝殿内。

本殿。

御祭神は倉稲魂神。安政4年（1857）創建。

昔の写真がありました。

本殿横の社。

何でしょうね。

この穴空き石の感じを見ると薬師神社にも思えますが…

裏には白龍、そして「開運魔除 白龍大神」という文字も見えます。

こちらの絵馬は明治29年12月のもの。

その他諸々…

李岱稲荷神社縁起譜…『李岱稲荷大明神は安政4年建立以耒百有余年を経過せしが、特に屋根の老朽激しくその修復にあたり敬神崇祖の念ある同意によって修復費を募り稲荷神社永遠護持のため、茲にその寄付者を連記し永く後世に継承するものである。記：一、金五萬円也：佐藤正夫、仝秀夫、仝健吉、木村与一郎、仝啓蔵、奈良田次郎、佐藤弘道、仝博美、木村宇吉、田中ウメ、福館多吉、木村正蔵、奈良田清美、仝一雄、木村勝弘、仝幸一郎、仝菊治 一、金四萬円也：佐藤善治、仝武敬 一、金六萬円也（常会長）木村由美、仝（副常会長）佐藤末蔵 天井改装（拾萬円）木村由美 屋根装飾（鬼）（棟梁）笹木健吉 昭和61年8月10日代表木村由美』