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秋田県男鹿市戸賀。戸賀湾戸賀港付近。近くには弁天神社(弁天岬)や常光寺もあります。
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戸賀八幡神社本殿(市指定有形文化財、平成8年3月29日指定、男鹿市)…『戸賀は江戸時代、日本海航路の重要な風待ち港でした。八幡神社は寛延4年(1751)、難破船の寄木をあつめて造られたと「戸賀村郷土誌」に記されています。祭神は誉田別命他です。神社は海に近く潮風の影響を受ける環境のため、明治32・33年に屋根の葺替え、床下の改造が加えられたようです。また本殿背後にある宮殿は、明治20年増築されています。建築上では向拝(柱頭組物)や片耳付の蟇股が特徴的となっています。また本殿奥の鑑天井三間は、祭神の八幡、山王、住吉の三神が祀られていた名残りです。室内も明治期に改造されていますが、旧内陣、外陣境は虹梁に平三斗、木鼻に特徴があります。近世以前の建造物が数少ない男鹿にとって、貴重な存在となっています。』
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五庚申。
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4.5
戸賀についてです。秋田風土記では渡鹿・渡賀とも記しています。男鹿半島西岸に入り込む戸賀湾の北端部に位置。地名の由来は渡鹿、即ち鹿の渡り来た所という伝承によります。戦国期の戸賀村は出羽国秋田郡のうち。慶長6年の「秋田家分限帳」に館嶋彦左衛門御代官所支配として「小鹿庄内、戸賀村・小村」5石余とあるのが初見になります。安東氏は中世後期から津軽十三湊・若狭小浜地方を結ぶ海運上の中継地として利用。中世中期から後期を通じて安東氏領。田地狭小にかかわらず独立村として把握された原因は海上交通の要衝によります。その地域は近世の戸賀村とほぼ一致。江戸期以降の戸賀村は秋田郡小鹿島のうち。秋田藩領。「正保国絵図」では渡鹿と記載され本田当高13石余。「享保黒印高帳」では戸賀となり村高18石余・当高17石余(うち本田14・新田3)。「寛政村附帳」では当高16石余(うち蔵分12・給分3)。「天保郷帳」では村高17石余。戸数は「享保郡邑記」では20軒、「秋田風土記」で95戸と大幅に増大。親郷北浦村の寄郷で枝郷はありませんが「秋田風土記」では枝郷浜中1か村、「絹篩」では浜中・浜塩谷の2か村。半農半漁で差網による小鯛が特産。「嘉永四亥年五月入梅の頃、余一宿致し朝浜へ出て見るに、舟数百余艘なり。舟毎に網二十羽計りつゝ持てり、小鯛のあること誠に夥し」とあります。寛永20年に唐船番所設置。傍らに川方出入役所もあります。また、舟宿持株を所持する者が6軒あったといいます。鎮守は山王社で、他に伊勢、修験湯本村常楽院末の十王庵が見えます。明治11年南秋田郡に所属。同22年南秋田郡戸賀村の大字。男鹿半島西岸部の戸賀・浜塩谷・塩浜・加茂青砂の4か村が合併して成立。大字は旧村名を継承、4大字を編成。村名の由来は大村の戸賀が中心であったことによります。自然の港湾に恵まれ、明治・大正を通じて海上輸送の避難港・寄港地になりました。昭和29年の人口1,970人余、うち農業従事者269人・水産従事者148人。同年船川港町・脇本村・五里合村・男鹿中村と合併して男鹿市成立。4大字は男鹿市の大字に継承。昭和29年からは戸賀を冠称、男鹿市の大字となります。
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鳥居。
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石灯籠一対。
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7.5
う~ん…大正3年かな…
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狛犬二対。台座が無く、草むらの中にあるため詳細不明。
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9.2
9.4
9.8
石殿がたくさんありました。
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10.4
10.8
石灯籠一対。
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11.5
参道石段。
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石段が少し逸れた道の先にある石殿。
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参道石段。
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こちらの小祠は荒れていて不明。
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参道を振り返るの図。写真ではわかりにくいのですが戸賀湾が見えます。。
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社殿。御祭神は誉田別命、天照皇大神、天手力男命、大山祇命、大物主命、大物主櫛甕玉命。例祭4月15日。
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神社庁より…『古い棟札に、「寛延四年辛未卯月拾七日」とあり、今から約260年前(1751年)に再建されたものであることがわかる。その以前は知る由もないが、当社の社殿は、その材を難破船の寄木にて造営されたものと語り伝えている。明治6年8月村社に列せらる。明治42年12月地域の火災により社殿も焼失したがその後新築す。明治44年誉田別命外四柱を合祀する。』
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石灯籠一対。
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19.5
拝殿内。
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20.5
本殿。
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上記案内板にもあったように本殿は男鹿市有形文化財(平成8年3月29日)です。男鹿市HPより…『建物は難破船の寄木等によって造営されたと「戸賀村郷土史」に記されています。建てられた年代は江戸時代の末期といわれているが、明治時代に大改造されています。建築上の特徴は、向拝や蟇股(かえるまた)で、旧内陣、外陣境は虻梁に平三斗(ひらみつと)、木鼻にある。近世以前の建造物の少ない本市にとって貴重な資料となっています。』
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社殿前に更に石段があります。
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このような位置関係です。
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神明社です。
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神明社々殿一宇竣工の棟札によりますと、昭和22年8月15日に遷座式が執行されています。
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