秋田県男鹿市五里合鮪川。
滝の頭水源浄水場・滝の頭水源ポンプ場。
滝の頭湧水…『男鹿半島を代表する名水で、寒風山麓の総湧出量の7割、1日あたり約25,000㎥という膨大な湧水量があります。雪解け水や雨水が、火山である寒風山の地下にしみ込み、火山の内部を流れる間にゴミなどの汚れが取り除かれ、ミネラルを含みます。約20年かけて自然にろ過されて地上に湧き出していると考えられています。この湧水は、男鹿半島の農業用水や飲料水として使用されており、まさに火山の恵みです。さらに公平に水を分配するための、38穴がある円形分水工も見どころです。』
菅江真澄が描いた文化7(1810)年の滝の頭湧水。
給水スポット。
せせらぎ。
滝の頭水源浄水場及び水源地を見学する際は管理事務所に立ち寄る必要があります。
菅江真澄の道…『ここは寒風山の背にあたる中腹で、たくさんの大石が重なりあっているところは、美濃の国(岐阜県)の赤坂山によじ登ったようである。ぬさとりてはらへは払う心地してたきち流るる山河の水。』・『文化元年(1840)9月6日滝ノ頭を見学する。』
上善若水(老子)。平成13年10月男鹿市長佐藤一誠。裏面碑文…『滝の頭は、半島特有の地形的条件の中で唯一良質にして豊富な水利であります。その利水は偉人渡部斧松翁が鳥居長根に引水して以来、長年本市五里合並びに若美町渡部両地区の水利として維持されてきましたが、本市においては、数次に亘る水源の変遷を経ながら昭和36年五里合土地改良区の理解を得てようやく滝の頭水利の一部を取水するに至り、一方若美町においては昭和38年以来、払戸簡易水道用水として利用されてきたところであります。その後、生活様式の変化に伴う水需要の増大と、八郎湖水の農業用水への利水が可能になったことから、両市町にとって滝の頭利水に係る新たな枠組みが課題となってきました。平成8年男鹿市と若美町は、より良質な滝の頭の水を望む住民の熱い思いを重く受け止め、権利が輻輳するこの利水の関係者との調整を前提に小異を捨て大同につくことで合意し、五里合・渡部両土地改良区ほか関係機関の深い理解のもとに、平成11年両市町の水道用水としての増量取水が実現したものであります。』
滝の頭水源周辺案内図。左回りに行ってみます。ちなみに管理用通路はかねてより一般開放されていましたが、滝の頭湧水の湖岸を一周できるようになったのは2019年のようです。
上堰分水施設。
上堰水路。
寒風山の北東麓。寒風山麓の総湧出量の7割、1日あたり約25,000tという湧水量。滝の頭湧水は古くから農業用水や飲料水として利用されており、天からの授かりものとして崇められてきました。
杉の巨木。
滝の頭。
とても綺麗でした。
青池みたい。
パンフレット「滝の頭湧水のしくみ」より…『寒風山への降雨、降雪が地下浸透し、火山岩の亀裂や自破砕状部等の透水部や基盤岩との境界付近を通り、滝の頭水源地に湧出している。水質は重炭酸ナトリウム型で、滞留時間の長い地下水の特徴を示している。滝の頭湧出口は、いわば天然の「地下ダム」のような大きな盆地状地形の排出口に相当し、その盆地状地形を通過するために20年以上の時をかけて湧水している。湧水量は年平均1日約25,000㎥。変動はあるものの1年を通して安定的に湧水しており、水温は12~13度と年間通して一定である。』
鳥居が見えてきました。
巨木。
鳥居。
建物が見えます。
巨木。
注連縄もあったので神社かと思いましたが休憩所のような場所でした。
巨木。
三吉神・太平山石碑。
近寄れないためよくわかりませんが、三吉神の碑の紀年銘はたぶん明治7年4月17日(願主畑山重■・畠山民藏)。
今木神社の湧水。
中々の勢いです。
神社の周囲では寒風山一帯の伏流水が、岩穴から轟音を発しながら湧出しております。
寒風山の7回にわたる噴火によって積み重なった安山岩は苔に覆われております。
湧出口に向かう参道。
足元には気を付けてください。
社殿。
明治初年の神仏分離後に今木神社として建立されましたが、滝の頭の鎮守の不動尊が祀られています。例祭は5月28日で、男鹿市鮪川自治会によって維持管理されています。
周囲には杉の巨木が点在。
社殿の柱。
手水石。
石殿(大正10年1月建立鮪川不動講中)。
今木神社の脇にある溜りには、オナンショという山椒魚が棲んでおり、これを捕らえて生きたまま飲み込むと、胃を掃除してくれるものとして、昔はよく参拝者が飲み込んだといいます。
その他石殿。
改元紀念碑(大正元年9月建之、鮪川益友會)。
不動明王と脇侍。
先に進みます。
美しい湖面を眺めながら。
石碑が見えたので向かってみます。
「我が郷の土壌育む豊かな水源」男鹿市長佐藤一誠。
裏面「鷲の沢地区ため池等整備事業・五里合地区かんがい排水事業竣工」…『鷲の沢ため池は、男鹿国定公園東部にあたる寒風山を流域とし、これと合わせ滝ノ頭湧水を主水源とする五里合用水路は、男鹿市北東部に位置している。ため池は、昭和38年に全面改修し、昭和53年に斜樋が改修されているが、堤体及び洪水吐、取水施設等の断面不足や、老朽化が著しく、ため池保安上危険な状態であった。平成6年度県営ため池等整備事業として採択され、総工費1億8千7百万円で、景観に配慮しつつ堤体・洪水吐・取水施設等の改修工事を行い、平成9年度に完成をみた。用水路は、老朽化が著しいため維持管理及び取水の効率的利用が困難になっていた。平成5年度県営かんがい排水事業として採択され、205ヘクタールの水田を受益地とし、総工費1億2千5百万で、幹線支線用水路の改修を行い、平成8年度に完成をみた。これにより、農業用施設としての機能と周辺住民への安全性が確保されたこの記念碑は地域の永遠の繁栄を祈りつつ、後生に伝えるものである。平成9年10月建立』
鷲の沢灌漑溜池。
滝の頭円形分水口。
3方向に分水。男鹿市五里合、若美町渡部の農業用水、男鹿市上水道へ。
パンフレット「円形分水口」より…『円形分水口は湧水を均等に分けるために昭和30年代に設置され、38個の穴があり水道用水、農業用水として分けられている。滝の頭水源浄水場では1日約7,000~8,000㎥の水を浄水し、北浦地区を除く男鹿市内の生活用水として利用され、市民の生活にとって欠かせない水となっている。』
サイフォンが稼働していますね。
つまり…
おちると…
死にます。
間違いありません。
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