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山形県鶴岡市羽黒町手向。標高1,504m。月山に連なる丘陵で、中腹に「出羽三山総奥の院」といわれる湯殿山神社があります。社殿はなく、湯殿山のご神体は、お湯の湧き出る不思議な巨岩。昔の人々は、命を産む女性の神秘をご神体に重ね、五穀豊穣と子孫繁栄を託して長い間祈りを捧げてきました。
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案内板「湯殿山のご由来」より…『◆御祭神…大山祇命(おおやまづみのみこと)、大己貴命(おおなむちのみこと)、少彦名命(すくなひこなのみこと)。◆出羽三山とは、月山・羽黒山・湯殿山の総称で推古天皇元年(593)、第32代崇峻天皇の御子である蜂子皇子様の御開山である。皇子は、蘇我氏の難を避け、京都の由良から海路を経て、出羽国庄内浜の由良に入られた。そして三本足の霊鳥の導くままに羽黒山に入り難行苦行の末、羽黒山上に羽黒権現の御示現を拝し、次いで、月山、湯殿山を開き、両神を羽黒山に勧請して羽黒三所大権現と称した。その後、皇子の御徳を慕い、加賀白山を開いた泰澄上人や修験道の祖と言われる役の行者、また真言宗の開祖弘法大師、天台宗の開祖伝教大師とその弟子慈覚大師なども来山して修行をしたとも伝えられている。こうして皇子修行の道は次第に発展して羽黒派修験道となり、全国に名を知られ時代を重ねるにつれ、人々の厚い信仰を集めることとなった。此処、湯殿山は、推古13年(605)の御開山とされ、出羽三山の総奥の院として特に厚い信仰を集めてきた。江戸時代までは真言宗として奉仕してきたが、明治維新に際して神仏分離(廃仏毀釈)が発令され、古への神奈備山にかえり神社として奉仕している。殊に出羽三山信仰は「三関三度」(さんかんさんど)や「擬死再生」(ぎしさいせい)など、生まれ変わりの信仰が今も尚息づいている。羽黒山で現世利益の御神徳に与り、月山の大神の下で死後の体験をし、慈悲深い湯殿の大神より、新しい生命を賜って、再生すると考えられる。特に湯殿山での修行は三世を超えた大日如来を本地仏とする大山祇命・大己貴命・少彦名命の霊験により、神仏と一体になり即身成仏を得ることが出来るとされた。また湯殿山本宮では、御神体を目の当たりに拝し、直に触れてお詣りが出来る御霊験の有り難さより、俳聖松尾芭蕉も「語られぬ湯殿にぬらす袂かな」の句を残された、古来「語るなかれ」「聞くなかれ」と戒められた清浄神秘の霊場なのである◆ご参拝について…・参拝バスを降り、湯殿山神社本宮参道入口より徒歩5分(約百メートル)・本宮入口で素足になってお祓いを受けてから御神前に進みお参り下さい。御祓料500円。※本宮内はご由緒により撮影はご遠慮下さい。』
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湯殿山御神牛(台座「湯殿山御神牛」泉椿魚。更にその下には平成21年丑歳御縁年奉賛者御芳名)。横には句碑「秋光のいよいよ細き行者径」。
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湯殿山御神牛。
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手水舎。
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湯殿山本宮。
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大黒天。
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湯殿山大黒天由来碑…『湯殿山に信仰篤き山形の畳職伊藤長三郎は、大黒さまが枕頭に顕はれ「われは湯殿山に座らんとするものなり汝われを案内せよ」との夢をみること幾度、長三郎はこれを野武士会に諮り有志と倶にこの大黒天を勧請しこの■山に鎮座を得たるもの即ち出羽三山と倶に■民の福徳を護るものなり。昭和54年6月24日』
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湯殿山信仰碑と結城健三歌碑「湯殿の神います谿間に下りゆく掛念佛のこゑを追ひつゝ」
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皆川盤水句碑「残雪に大弊の舞ふ湯殿山」
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狛犬一対(平成20年7月吉日)。
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湯殿山神社本宮(公式HPより一部抜粋)…『湯殿山神社本宮では、参拝に際して現在でも履き物を脱ぎ、裸足になり、御祓いを受けてからでなければお詣りは許されない。俗世とは切り離された神域である。月山から西に尾根づたいに下りること8km、月山の絶頂より流れ落ちる梵字川のほとり、幽邃な仙境に、悠久の太古より、滾々と霊厳とを御霊代として、大山祗神、大巳貴命(大国主神)、少彦名神の三神が鎮まります湯殿山神社(1,100m)がある。』、御神体巡拝…『三山が神仏習合であった時代、三山を抖擻(とそう)する修行を「三関三渡」といった。羽黒山は観音菩薩(現在)、月山は阿弥陀如来(過去)、葉山や薬師岳は薬師如来(未来)とされ、それらの加護と導きにより現在・過去・未来の三関を乗り越え、湯殿山の大日如来(三関を超越した世界)の宝窟に安住し、即身成仏(生きたまま悟りを開く)の妙果を得るというものである。裸足になってご神体に登拝するのは、大日如来と一体になって感得することである。また湯殿山は神の世界ゆえ、古来より人工は許されず社殿を設けないのである。』
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湯殿山神社本宮については、古来より「語るなかれ、聞くなかれ」と言われ、湯殿山で見聞きしたことは決して口外してはならず、それについて聞いてもいけないという掟がございます。松尾芭蕉も「総じてこの山中の微細、行者の法式として他言することを禁ず。よって筆をとどめてしるさず」と『おくのほそ道』に記しております。ってことで紹介できるのはここまでです。
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