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旧鹿角郡公会堂は武家屋敷通りに面しています。すぐ隣には本勝寺。本勝寺の横は花輪館搦手口(花輪館に通ずる下の坂、通称館坂(たて坂)の登り口で、昔は御館ノ坂とも言いました。)で花輪館跡(花輪小学校)へと続きます。旧鹿角郡公会堂の裏手は花輪館跡で、少し上った場所に新町愛宕神社が鎮座。向かいには中野南部氏居宅跡。
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現在、花輪小学校の建つ花輪館と桜山公園となっている北館の館下になっている横町・袋丁は、組丁にかけて近世に武士居住地である内町を形成していました。
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旧鹿角郡公会堂前の標柱。
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花輪学校横町校舎跡…『花輪(小)学校は明治7年(1874)大町に開校したが、生徒が増えたためにこの場所の武家屋敷を整備し、明治15年1月に移転した。明治37年、生徒数がいよいよ増えたため手狭になり旧二の丸の現在地へ移った。大正5年(1916)に建物を解体し、跡には旧鹿角郡公会堂が建設された。』・花輪城曲輪武家屋敷跡…『天正18年花輪城初代の城代大光寺正親入封の時、沢口大光寺屋敷と共に城ノ下曲輪としての武家屋敷を構えた。延宝2年(1674)中野伊織花輪城代となるや袋丁と共に武家屋敷街として構え幕末まで武家、御町医の住居があった。』・旧鹿角郡公会堂1棟(鹿角市指定有形文化財(建造物)平成3年3月26日指定)…『この建造物は、大正5年(1916)9月に大正天皇御大礼記念として建築されたものである。木造平屋建で、下見板張りの壁や上げ下げ窓、玄関柱頭に施した植物の木彫模様など洋風な造りとなっている。地域における文化活動の中心施設として各種行事や催し物会場に使用された。平成29年10月16日設置・鹿角市教育委員会』
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旧鹿角郡公会堂。
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木造平屋建、柾葺の鹿角では珍しい洋風建築。床面積542㎡、300人収容のステージ付きホールの他3室がありました。建物本体ホール部分の大屋根は半切妻、両端と中央玄関の突き出したところは急勾配の三角屋根で、下見板貼りの壁、上げ下げ窓など、洋風のデザインを凝らしています。また、中央玄関部分の柱頭には植物の葉か花が開いたような木彫模様が施されています。
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郡内文化の殿堂として各種の行事や催し物会場として使用されてきましたが、戦後は花輪公民館のホールとして地域の文化、教育活動の中心施設としてその役割を果たしてきました。その後、昭和57年からは、民俗資料1500点を展示、公開する資料室として利用され、平成28年度より改修工事を行い、平成29年11月より市歴史民俗資料館としてリニューアルオープン。
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中央玄関の柱上端。植物模様の木彫りが施されています。
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外壁は杉板を下から上に重ね合わせる洋風建築の基本的な造りとなっており、窓には窓と同じ重さの分銅が巧妙に隠され、建築当時のガラス板が所々に残り、外の景色が歪んで見えます。
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ちなみに鹿角市歴史民俗資料館は無料でした。内壁は漆喰。建設当時の天井には豪華なシャンデリアが3灯設置。床はかつては杉板を張っていましたが、展示施設として利用するために耐久性の高い床材に変えられています。外壁・内壁の色彩を知るための当時の設計図面は残されておらず、また、当時の色彩を記憶している方もいなかったそうで、残されていた白黒写真や何度も重ね塗りした塗料から判断。なお、館内の写真はほぼ撮っておりません。江戸時代の花輪館に寄贈された清水焼、農村における暮らしぶり、当時の鹿角における生活の様子をうかがい知ることができます。無料なので是非現地に足を運んでみて下さい。
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鹿角市歴史民俗資料館の公式ホームページです。http://www.ink.or.jp/~kazunorekishi/
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明治時代の花輪町部には4軒の造り酒屋がありました。その内、松風酒造から寄贈された用具を中心に展示しています。お酒を飲みたくなりました。
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演説台の後背です。国会議事堂の議長席後ろにもこのような装飾があります。
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鹿角市歴史民俗資料館。
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旧鹿角郡公会堂。
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棟札です。
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棟札の説明。
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個人的に興味があったので先祓舞の説明を…。※先祓舞(先祓い)のルーツ・長嶺八幡神社先祓舞・湯瀬神明社先祓舞・谷内天照皇御祖神社先祓舞・大里川原稲荷神社先祓舞。
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各地に伝わる「先祓舞(先祓い)」の演目。下の表に各地区で伝わる「先祓舞・先祓い」の演目を書き出しました。伝承された時期や、伝承から今日までの期間に演目名や所作(舞のしぐさ)が変化した可能性があります。この表から浄法寺桂清水観音の先祓いと同じ演目を演じている神社は、長嶺八幡神社先祓舞であり、古い演目名と古い所作を伝えている可能性があります。
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先祓舞(先祓い)の伝承経路。
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花輪町真景図(大正5年11月28日印刷・大正5年12月5日発行・著作兼発行印刷者:東京府淀橋町角筈二番地田中吉助・発行所:東京府淀橋町角筈二番地文洋堂。発行所:秋田縣鹿角郡花輪町西村忠次郎。發賣元村木邦松。定償金:十八銭)。久保田橋附近から花輪の町並みを俯瞰しています。盆坂を境に、上手には呉服屋・薬屋・酒屋などの商店、下手には警察署、郵便局のほか、横町に町役場・鹿角郡公会堂、横丁に郡役所がみえます。また、今泉や川原町には廣川家などの料亭がみえます。
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地図下段には、店名と店先の様子・商品名、更に鉱山との取引のため尾去沢・不老倉・小坂に支店を出していることが記載されています。現在も営業している店舗は、西村時計店(谷地田町※閉店)、かづの銘酒(坂ノ上)、山崎商店(新酒屋/新町)、小田島スタジオ(横町)などがあります。
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当時の雰囲気が伝わって面白いです。
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歴史民俗資料館の紹介なのに…変なところに力を注いでいます。
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博物館や資料館はネットで紹介しても仕方ないので…現地で見るのが一番!
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鹿角郡地圖。
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花輪町尾去澤交通圖。
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花輪町沿革。
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