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秋田県男鹿市脇本富永寒風山。
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標高355mの寒風山(成層火山)は山頂周辺が緑の芝生に覆われた休火山です。2,700年前には火砕流が発生しましたが、地震活動や噴気活動などマグマの動きや噴火の兆候がまったくないため、気象庁の指定する活火山には含まれていません。山頂部は滑落で2つに分かれています。
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寒風山回転展望台のロータリー内には世界三景「寒風山」の看板が設置されています。地理学者志賀重昂が大正2年9月に寒風山を訪れて、世界三景と賞されるほど風光明媚な山として紹介したとされます。世界三景とはアメリカのグランドキャニオン、ノルウェーのフィヨルド、寒風山とのことです。世界三景には異なる説もあり、初代男鹿市長の中川重春が、寒風山からの眺めはナポリやブエノスアイレスと比しても劣らないと賞賛したことにより元琴湖会が標柱を立てたとの説もあります。
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世界中の誰が見ても間違いなく世界三景です。異論は認めません。
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古くは妻恋山あるいは羽吹風山とも呼ばれていました。菅江真澄は『男鹿の秋風』で、これは男鹿という地名から牡鹿の「妻恋」から名付けたのではないかとしています。山頂北西には大噴火口があり、南西には小噴火口があります。小噴火口には火口由来の風穴があります。大噴火口内の南西部には「鬼の隠れ里」(石倉)と呼ばれる巨石が積み重なった所があります。岩屋の中に男鹿の鬼が住んでいたとの伝説が残されていますが、これは溶岩ドームが崩落したものと考えられています。岩屋の上には穴があき、そこから水が湧き出て日照りの時にも水が絶えない岩があり、弘法大師が穴を開けたとされ、「弘法の硯石」と名付けられています。大噴火口の縁北側より「溶岩じわ」と呼ばれる溶岩流の表面にできた地形がみられます。ここからは大噴火口全体を見渡せます(板場の台)。小噴火口を取り巻く峰は蛇越長根と呼ばれます。小噴火口内部には昔、古玉の池という池があり、そこに身を投げたお玉という村娘が大蛇に変身し、古玉の池が干上がったため、尾根を越えて西にある新珠池(玉の池)まで移動したという伝説からその名を残します。登山道には大蛇が通った跡だとされる大小の石や岩があります。蛇越長根の山頂は姫ヶ岳(337m)といわれ、石川理紀之助の歌碑が建立されています。寒風山山頂と姫ヶ岳は元々一体でしたが、大きな地滑りによって現在の位置に移動したと考えられています。小噴火口内部には風穴があり、穴からは冷たい風が吹いています。蛇越長根の西南の谷を「龍の馬谷」といい、秋田実季が脇本城の安東修季を攻める際に、本道を避けて八郎潟の浅瀬を渡りこの谷まで忍んで行軍し、安東修季を破ったとする伝説を残します。
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寒風山周辺はジオサイトウォーキングコースがあります。1周約9km(約3時間30分)と1周約6km(約2時間30分)の2コース。コース内で見ることができるのは小噴火口風穴、妻恋峠、小展望台、湧水地、姫ヶ岳、西寒風開拓地碑、タタミ岩、蛇越長根、板場の台、新玉ノ池、鬼の隠れ里、大噴火口、地震塚、滝の頭湧水(男鹿浄水場)。また、寒風山では春にカタクリ、アズマギク、アザミ、タニウツギ、ヒトリシズカ、夏にウツボグサ、ニガナ、ギボウシ、ネジバナ、ヤマユリ、秋にゲンノショウコ、ツリガネニンジンなどの花を見ることができます。
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寒風山回転展望台へ。
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ナマハゲ君。
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ナマハゲ。
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1階展望台レストランファミリオではお勧め地産地消メニューとして、男鹿しょっつる焼そば、比内地鶏親子丼、稲庭うどん、秋田錦牛カレー、とんぶりとろろ丼、秋田ふぐ唐揚げ定食、じゅんさい鍋定食、きりたんぽ鍋定食、男鹿鯛めしセットなどを頂けます。
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もちろん雄大な景色を眺めながら頂けます。
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みそたんぽ。
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2階は男鹿半島・大潟ジオパーク展示室。平成23年9月、男鹿半島・大潟村エリアが日本ジオパークとして認定され、ジオパークの特徴を観察できる地点ジオサイトを中心に男鹿半島・大潟エリア全体を紹介。また、かつて日本第2の湖であった八郎潟干拓当時の貴重な写真記録も展示。
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あっ、2階以上は有料です。一部紹介。
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秋田県湯沢市木地山こけし(故・小椋久太郎作)。
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脇本城跡展。
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秋田お郷土玩具八橋人形。藩政時代の1772年頃から伝えられる秋田の郷土玩具で秋田市の八橋地区で作られている京都の伏見人形の流れをくむ土人形です。顔料を使った伝統的な絵付けの八橋人形は同一色彩が多くなっている全国各地の郷土人形の中でも貴重な存在。秋田市八橋地区にある日吉八幡神社境内や、また天神人形は八橋地区にある菅原神社の天神祭にちなんで売られていました。他にもおひな様などもあり、桃の節句や、子や孫の誕生祝いの飾りとして、素朴で温もりがある土人形は江戸時代より子や孫を愛する思いを脈々と伝えています。
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丸木舟。
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3階は男鹿半島なるほど展示室。古くからの歴史や自然、生活などを紹介。
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船川港門前赤神神社の石造狛犬。
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菅江真澄の男鹿紀行(おがのはるかぜ)。
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男鹿半島ができるまで。
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縄文時代早期(約8,000年前)。約7万年前から2万年前にかけて続いた氷期が終り、地球の気候は温暖に向った。同時に海面が高くなったが、約8千年前の海面は現在より低く、従って陸地は広く、八郎潟は海水の入る深い入江でカキが生息していた。
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縄文時代前期(約6,000年前)。約6千年前の縄文時代前期になると地球の温暖化は一層進み、海面は現在より数メートルも高くなった。そのため男鹿は本土と離れた島となった。
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縄文時代後期~現代(4,000年前~現代)。縄文時代の前期をすぎると気候は冷涼化に向った。同時に今より高かった海面は下降し始めた。縄文時代後期には今まで水面下にあった浅い海底が地上にあらわれ、男鹿と本土は陸続きとなった。
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4階回転展望室。360度ガラス張りの回転展望室。1回転13分。別に静かに座って見ている必要はありませんが。
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展望室からの写真だけ目当てなら1階展望台レストランの屋上がいいかも知れません。ガラス張りですし、回転するので写真向きじゃありません。
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東(八郎潟干拓地・残存湖)には、西部承水路、中央干拓地、森吉山、八郎潟調整池、南部干拓地、太平山などが見えます。西(男鹿三山・入道崎)には、本山、真山、八望台、大噴火口、北浦港、入道崎などが見えます。南(秋田市・鳥海山)には、天王グリーンランド、秋田火力発電所、秋田港、ポートタワーセリオン、鳥海山などが見えます。北(能代港・世界自然遺産白神山地)には、八森・岩館方面、白神山地、能代港、大潟村総合中心地などが見えます。
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男鹿塩ソフトクリーム!!
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