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弘前市吉野町。弘前れんが倉庫美術館(Hirosaki Museum of Contemporary Art)。開館時間9~17時。休館日は火曜日(祝日の場合翌日振替)、年末年始(但しさくらまつり&ねぷたまつり期間中は全日開館)。駐車場は近隣の有料駐車場(障害者等専用駐車場及び提携駐車場あり)。2020年4月11日オープン(※新型コロナウイルス感染症の影響により7月に延期)。100年以上前に建てられたレンガ倉庫が日本酒の醸造所、シードル工場、米倉庫を経て、現代アートを展示する美術館に生まれ変わりました。明治・大正期、実業家福島藤助は青森のりんご産業の発展に貢献した楠美冬次郎のりんご園等があった場所に、酒造工場として煉瓦倉庫を建てました。当時福島は、「かりに事業が失敗しても、これらの建物が市の将来のために遺産として役立てばよい」と、建物を煉瓦造にしたそうです。戦後、実業家吉井勇は、りんご加工事業の視察のために渡欧。フランスでシードルと出会ったことをきっかけに、朝日シードル株式会社を設立し、1954年に日本で初めて大々的にシードルの製造を行いました。事業はその後ニッカウヰスキーに引き継がれ、煉瓦倉庫は1965年までニッカウヰスキー弘前工場として使用。その後の工場移転に伴い、シードル製造工場としての役割を終えた煉瓦倉庫は、政府備蓄米倉庫等として利用されました。2002年には、当時の吉井酒造株式会社社長吉井千代子と現代美術作家奈良美智との出会いにより、同氏の展覧会が市民の手で開催され話題となりました。2015年に弘前市が煉瓦倉庫を取得し、芸術文化施設への整備が始まりました。
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設計者は建築家田根剛さん。建築コンセプトは記憶の継承。レンガやコールタールの壁をそのまま使用したほか、取り外した天井の木材も再利用されています。耐震性に問題があったレンガ壁は長さ9mの鋼棒で上下に串差しにして強度を高めました。エントランスなどの内壁は、表面の分厚い漆喰を剥がして建設当初のレンガを剥き出しにしています。
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弘前れんが倉庫美術館開館記念秋冬プログラム「小沢剛展 オールリターン ―百年たったら帰っておいで 百年たったらその意味わかる」(会期2020年10月10日~2021年3月21日)開催期間に行きました。
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撮影禁止の部分もあるためほんの一部の紹介です。現地にてお楽しみください。
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アーチ形状をした入口。
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田根剛さんが考案・命名した弘前積みレンガ工法。新たに焼いたレンガを蛇腹状に積み上げ、手前から奥へとすぼまっていくような形にして意匠性を高めています。レンガの焼き方も工夫されており、ムラを出したり、表面の一部に墨汁を塗って黒くするなど、既存レンガとの違和感が出ないように工夫したそうです。
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ロゴはグラフィックデザイナー服部一成氏が手掛けたもので、上に置かれた弘前の頭文字Hは時間軸をイメージし、文字列の長さに合わせて自在に伸縮。有機的な文字の並びは美術館の中を巡り作品と出会うことで生まれる心の動きに通じるもの。
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AtoZMemorialDog(2007)。下に敷かれた楕円形の台座は屋根裏に使用されていた古材の再利用で、倉庫当時に断熱材として利用していたもみ殻の跡を見ることができます。
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1階ホワイエ脇にある鉄製の階段。現在は使用できませんが記憶の継承という美術館のコンセプトのもと、そのままの姿で残されています。
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展示内容につきましては諸々省略いたします。
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大変楽しめました。ちなみに展示室は旧貯蔵室や旧資材倉庫で、改修前のコールタールが塗られた壁をそのまま使用。かつてシードルを貯蔵するタンクが約100基並んでいました。
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2階へ。
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2階ホワイエ天井にあるタンク。
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階下で瓶を洗うための水を貯めるためのタンクが残されています。ちなみにこの大きなタンクを天井裏にどうやって設置したのかは不明のようです。
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旧瓶詰室・美術館オフィス(旧研究室・旧事務室)。当時のままの白い木製壁面の向こうがオフィス。工場時代からある木造の壁や、はめ込まれたガラス窓に味わいがあります。オフィスの中には木製の階段が残されているそうですが通常は関係者以外見ることができません。
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旧搾汁室は美術に関する書籍などをそろえた入場無料のライブラリーになっています。
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ライブラリーから見た岩木山。
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