奥入瀬渓流。
遊歩道。
遠くに銚子大滝が見えてきました。
佐藤春夫の詩碑(昭和28年建立)。案内板後方にある天然石に刻まれていますが苔で読み取れません。
「奥入瀬谿谷の賦」佐藤春夫…『瀬に鳴り渕に咽びつゝ奥入瀬の水歌ふなりしばし木陰に佇みて耳かたむけよ旅人よ うれしからずや谿深み林のわれを養ふは水清くして魚住まず望すぐれて愁(うれい)あり 十和田の湖の波の裔(すえ)身の清冽を愛(を)しめども深山(みやま)を出でて野に向ふ身を現実こそ是非なけれ 友よ谷間の苔清水歯朶(しだ)の雫よ瀧つ瀬よやがて野川に濁るべき明日の運命(さだめ)は歎かざれ しばしは此処にいざよひてさみどり深く閉したる高山(たかやま)の気を身に染(し)めん花も楓も多(さわ)なるを 林に藤の大蛇(おろち)あり谿に桜の鰐朽ちて何をか求め争ふやわが幻をにくむかな さもあらばあれ木洩日の漂ふ波に光あり水泡(みなわ)はしろく花を咲き鶯老いて春長し もしそれ霜にうつろはば 狭霧のひまの高麗錦(こまにしき)流るる影も栄えありみな一時の夢ながら わが行く前の十四キロここに歌あり平和ありまた栄あり劣らめや浮べる雲のよろこびに』
銚子大滝。
銚子大滝は横幅約20m、落差7m。奥入瀬渓流最大の滝です。奥入瀬本流にある唯一の滝。滝の右手に伸びる断層や左から流れ込む寒沢の影響でできたと考えられています。
流れ落ちる水は多量の水霧を生み出し、木漏れ日がそこに幾本もの光の筋をつくります。
この銚子大滝によって十和田湖には魚が登ることができず、長年魚が生息しない湖だったといわれています。遡上する魚を拒み続けることから魚止めの滝とも呼ばれています。
魚止めの滝(銚子大滝)…『銚子大滝は奥入瀬本流にかかる唯一の滝で、高さがおよそ7m、幅が20mほどあります。ほぼ直角に切り立っているため魚類がこの滝を上れず、十和田湖にはかつて魚がまったく住んでいなかったといわれます。滝の名の由来は、十和田湖を銚子(とっくり)に見立てた場合、この付近がその注ぎ口にあたるということらしく、十和田湖と奥入瀬、そしてこの銚子大滝の関係をとてもよく表しているように思えます。滝のすぐ下で合流している寒沢の流れに沿って、昔は魚道が作られたこともあったそうです。』
昔魚道が作られたという寒沢の流れからの水。
銚子大滝上流へ。
銚子大滝の上流。
苔チェック。
こちらは寒沢の流れ。
銚子大滝の下に流れ込みます。
『雲井の滝 ・ 奥入瀬渓流館』※再訪
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