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岩手県二戸市福岡城ノ外。
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九戸城の北西隅、白鳥川と馬淵川の合流点を望む断崖に造営された堂宇で、奥州糠部三十三観音巡りの二十八番札所。白鳥川上流にあった寺(白鳥観音堂)が洪水で流された時、岩谷の断崖に漂着した観音様をこの場所に祀ったのが始まり。
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九戸の乱(1591)の約100年後の正徳2年(1712)、僧・奇峰学秀が戦いで落命した人々の戦没者鎮魂・供養のため千体仏を彫り、お堂(千補陀堂)を建立して納めました。お堂は馬淵川の洪水により流失し、現在は千補陀堂碑が立っています。
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御本尊は観音菩薩座像・阿弥陀如来座像(市指定文化財)。東北では少ない中央仏師の手になる南北朝時代(14世紀)の作。
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岩石崩落の危険があるため立入禁止となっていました。
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まさに岩壁の洞窟。
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屋根が傾いていますね。
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本堂に近寄れないのでズーム。
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奉納物(宝剣、鉄鳥居など)の写真や説明が貼られていますが、ここからではよく見えません。
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堂宇「お詣り日変更のお知らせ」より…『今まで毎月旧暦17日お堂を開いておりましたが多くの参詣者より、新暦にしてほしい、とのご要望があり、相談の結果平成19年9月より新暦の17日に行うことにしました。今後とも何とぞ宜しくお願い申し上げます。堂主』
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岩谷観世音菩薩・糠部二十八番札所標柱(平成22年5月吉日建立)、石灯籠、庚申・二十三夜塔。
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標柱より…『「たち寄りて天の岩戸や福岡のいわ屋の佛拝む頼母子」「たちふりて天の岩谷は福岡の巌谷の奥の深き御佛」』
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石がいくつかありました。
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手水石(明治23年8月17日)。
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手水石(弘化3年丙午3月17日)。
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馬頭観世音(昭和52年8月吉日)。
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千補陀堂碑(市指定文化財)。
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案内板。文字起こししない方がわかりやすいと思うのでそのまま掲載。
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案内板「岩谷観音堂」より…『往古、白鳥川が大洪水(白髭水)になった折り、岩の上に夜々光が生じ、藤蔓に引っ掛かっている木造の観音様が発見されました。地元岩谷の人々は岩壁に洞窟を造り、御堂を建て、この観音様を祀ったと云われています。古くは観光上人によって設定され、寛保3年(1743)、八戸天聖寺の則誉守西上人によって「奥州糠部三十三所観音霊場巡礼」第二十八番札所に選ばれるなど、古い歴史を持ちます。宝物としては、平成7年10月に市有形文化財に指定された十一面観音菩薩像、阿弥陀如来像の2体が納められていますが、御開帳は百年に一度と云われており、その姿を拝むことは中々困難です。』
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十一面観音菩薩。
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案内板「岩谷観音堂」より…『青森県南から、二戸、一戸地域には奥州糠部三十三所観音霊場があります。その28番目の霊場が、この岩谷観音堂です。奥州糠部三十三所観音霊場は、永正9年(1512年)に始められ、寛保3年(1743年)に八戸天聖寺の則誉守西上人が、ここを第28番札所としました。岩谷観音堂は、白鳥川の岩壁を掘って御堂が作られ、御堂までは橋を渡って行きます。伝説によるとむかしむかし、この白鳥川が氾濫した時、川の中から引き上げられた観音像を祀って作られたのが、この観音堂の始まりといわれています。今は、十一面観音菩薩像、阿弥陀如来像の2体が納められています。御堂は赤い扉で閉ざされ、ご開帳は、なんと100年に1度です。』
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三十三所観音霊場。
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案内板「白鳥山岩谷観世音菩薩」より…『今から400-500年位前に白鳥川が白髭洪水とも言われた大洪水に見まわれ、田畑も人家も流されたとき、向う側の岩崖の上から2本垂れ下っていた藤のつるが次第に太くなりロープのような太さになり、よく見るとその藤のつるの先に木像のようなものが引っかかっているのが見えた。岩谷村の人達が馬の手綱をつなぎ合せて体に結びつけ、向こう側に渡ってみると木像の観音像であった。その木像を頭にのせて戻って来たが不思議と大洪水の激流に足をとられることなく無事に帰って来た。その霊験に驚嘆した人達がその場に祭ったのが岩谷観音であると言われている。その昔、奥州糠部三十三観音であり、一番目が階上、二番目が八戸、それから青森県を巡り、二十八番目の岩谷観音から岩手県に入り、鳥越観音朝日観音、観音林、実相寺を経て三十三番の天台寺で終る。奥州糠部郡三十三番所札所のうち二十八番札所。縁日毎月旧17日。』
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標柱「千補陀堂建立ノ碑」より…『「千補陀堂建立の碑(二戸市指定文化財)」…九戸城落城の百余年後戦没者の供養のため千体仏とこれを安置する堂宇がこの辺りに建立されましたが後年洪水で流出しました。馬淵川下流域に流れ着いた仏像の多くは青森県指定文化財となっています。ここにひっそりとたたずむ建立記念碑は天下の謀反人とされた無念の九戸政実を密かに慕う地元の人々の心情を今に伝えています。/「岩谷観音の仏像」…1.聖観音坐像(像高50.5cm)2.阿弥陀如来坐像(像高49cm)ともに寄木造、彫眼、彩色仕上げの像で、頭部・体部とも前後二材矧で内刳を施し現状は古色です。聖観音像は左手に蓮華を持つ形で、右手は与願の印、阿弥陀像は髪を渦巻形に表し、右手第1指と第4指で輪をつくり(左手は欠失)、下品下生印かとみられます。様式や構造、技法などから、ともに院派系統の同一仏師による作とみられ、14世紀・南北朝時代と推定されます。中世仏としては県北地方では数少ない本格的な専門仏師による優品として注目されます。』
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