イメージ 1
イメージ 2
さて、八剣金毘羅神社の鎮座地は三戸町梅内字舘。舘の地名が残っていますね。梅内館の館主は梅内氏で北氏の一族であったと云われます。御祭神は広国押武金日命、大物主命。創建不明(一説には元和7年南部利直により八剣神社を勧請)。祭日は旧4月10日。境内地54坪、本殿0.6坪、幣殿1.7坪、拝殿9坪。往古より村民に崇敬され、元和7年3月26日南部利直公新たに社を造営せられ社領を付與。公は自ら神前に舞楽を奏し、神慮を慰め、国家安全・武運長久を祈りました。
イメージ 3
明治以前、八剣神社は梅内細谷の梅内久弘家の先祖梅内岩人が祭っていた神社で、細谷全体の産土神と考えられていました。金毘羅神社は船場寿家の先祖の孫兵衛が四国の琴平宮の御分霊を勧請し祭っていた神社で、館部落の産土神と信じられていました。明治初年の神仏分離の際、金比羅神社が廃社となり、その社殿に八剣神社の祭神広国押武金日命を祭り、さらに廃社になった金毘羅神社の祭神大物主命を合祀して八剣神社としました。本来ならば、八剣神社を廃社とし、金毘羅神社に八剣神社の祭神を合祀するのが常識的な処置であったと思われますが、両部落の政治的な力関係による処置であったのかも知れません。
イメージ 4
しかし次のことがもっと大きな理由ではないかと思われます。金毘羅神社の本山とも言うべき四国の金毘羅様は、神仏分離で大混乱に陥りました。金毘羅様に参拝すると、案内人が、この社殿の二階に昔は仏さんをまつっていたと説明。神官と僧侶が一緒に仕えていた神仏混淆のお社でした。これが争いのもととなり、最後には神社として認められることとなりましたが、争いは裁判沙汰になり、結末まで随分長い時間がかかりました。その結果を待ちかねた部落民が問題のある金毘羅神社を廃社とし、無難な八剣神社の名称にしたと思われます。八剣神社は、現在三戸小学校のある権現林にあったといいますが、金毘羅様に遷座の日、雷雨と暴風に悩まされ、ついに頂上に達することができないで、途中で引き返し船場真吉氏の先祖三治宅に一夜を明かし、翌日遷座したといいます。廃社になった金毘羅様がお怒りになったのか、八剣様が離れていく自分の社殿に心残りがあったためかはわかりません。両部落の人々によってその考え方が分かれるに違いありません。
イメージ 5
明治9年に村社に指定、氏子たちの要望に従い、昭和45年8月26日に両神社名併記の形をとり、八剣金毘羅神社と改称。大祭日は旧の4月10日ですが、当日は近郷近在から大勢の参拝者が押しかけ、八戸の船主の信仰も厚く、随分盛大なものでした。八剣神社の祭社は普通日本武尊を祀っています。剣は尊の御性格を表しています。ところが広国押武金日命を祀っているのは不明。三戸地方では三嶽神社でもこの神を祀っています。九州の佐賀県の御嶽神社で広国押武金日命と日本武尊を合祀している神社があります。この二神は八剣神社と三嶽神社の共通の御祭神と考えたのかも知れません。
イメージ 6
拝殿向拝下(足元)。
イメージ 7
木鼻。
イメージ 8
イメージ 9
拝殿内へ。
イメージ 10
イメージ 11
イメージ 12
イメージ 13
色々あります。
イメージ 14
イメージ 15
明治期のものが多かったかな。
イメージ 16
イメージ 17
イメージ 18
イメージ 19
イメージ 20
こちらは嘉永7年。達筆にて読めませんが。
イメージ 21
天保2年12月10日。
イメージ 22
天保15年12月吉日。
イメージ 23
目が怖い方(昭和37年4月10日)。
イメージ 24
船や剣の絵馬。
イメージ 25
イメージ 26
こちらには「三戸町大字二日町西村酒造場」「明治丗三年八月四日旧七月十日」。お酒を造っているのかな。
イメージ 27
村社八剣神社・金比羅神社謹奉御詠進上…「鎮守森松吹く風は産土の眞淵の瀬音成相の守護」・「永久に代り無きそよ松と水御恩頼を受ける村人」(昭和32年旧4月10日)。
イメージ 28
本殿。
イメージ 29
拝殿前狛犬一対。
イメージ 30
イメージ 31
中々個性的でございます。
イメージ 32
イメージ 33
イメージ 34
イメージ 35
台座には色々と文字が彫られていましたが、埋もれ気味で見辛かったのでちゃんと読んでいません。
イメージ 36
イメージ 37
「昆毘羅大権現」などと彫られている石灯籠一対。
イメージ 38
イメージ 39
イメージ 40
「御寶前」と彫られた石灯籠。
イメージ 41
大きい方は文政4年9月吉日。
イメージ 42
イメージ 43
小さい方は天保10年。
イメージ 44
手水石。
イメージ 45
石灯篭一対。
イメージ 46
イメージ 47
狛犬一対(讃岐国金刀比羅宮参拝記念・昭和54年3月3日)。
イメージ 48
イメージ 49
末社。
イメージ 50
イメージ 51
イメージ 52
イメージ 3
イメージ 2