
村境や路傍の地蔵堂に多くの地蔵様がいます。

西北五地方ではよく見る光景。特に稲垣村に多いらしいです。


亡き幼子や未婚のまま亡くなった若者の供養のため、地蔵堂・墓地・賽の河原に石や木の小さな地蔵を奉納すると言います。

平成6年(1994)には「津軽の地蔵講の習俗」として選択無形民俗文化財に指定されました。

多くは百万遍、庚申塔、二十三夜塔など共に建立されています。


特徴的なのはその顔。

真っ白に塗り、その上から顔が書き込まれています。これを化粧地蔵と言うとか。

旧暦6月23日、24日になると化粧や衣装を施し、供物をして供養する習俗が伝承されてきたそうです。

とても個性的でおもしろい顔をしています。子供が描いているものもあるそうで。小さい地蔵様は個人が子供の供養のため建立したものが多く、大きい地蔵は身代わり地蔵が多いらしいです。


ほとんど写真は撮っていませんが既に数え切れない程の化粧地蔵様にお会いしています。化粧地蔵様の表情を見て回るのも楽しいかも知れませんね。但し、興味本位だけではなく、しっかりと手を合わせましょうね。


この地方の地蔵様でもうひとつ特徴的なのが十字架を彷彿させる前掛けです。

「誰も語らなかった津軽キリシタン」(坂元正哉著 青春出版社)という本によりますと、津軽の流刑キリシタンが開墾の見返りとして食べ物も保証され、かつ棄教を免れ、自分たちだけでキリスト信仰を続ける環境にあり、また、完全な潜伏キリシタンとなってからも開拓協力に大きな希望を持ち続けた、というような内容があったかと思います。もし関連性があるのならば面白い話ですね。

小泊などの地域でも地蔵様の前掛衣装は必ず十字架印が付いていて、資料によっては「十字架前掛け地蔵」と紹介されており、「キリスト教の十字架に似ているところから、かくれキリシタン信者同志のサインではないかと言われている」と紹介されたりしています。



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