1
青森県上北郡六ヶ所村倉内。小川原湖北の内沼の岬の先・内沢橋近くに鎮座。内沼の産土様です。
2
内沼は中志と連なる集落で、戦前まで渡船場がありました。増水した時は大変でしたが、水が少ない時には船を並べただけでも対岸に渡れたことから「因幡の白兎」に似た伝説を残します。鰐(ワニ)のような船を並べた入口付近に神社が建てられたことから「鰐口大明神」と名付けられたとも伝えます。いずれにしましても沼の安全を祈って創建されたことは確かです。
3
神社を管理している俗別当は代々木村家で、内沼に初めて住み着いた木村家の初代直太郎が鰐口大明神を祀りました。直太郎は江戸時代後期の人物で、会津から移住してきました。平沼の修験である平郡左右治家所蔵の「霞支配棟札扣」によりますと「新造鰐口大明神堂 文政十年 大工松之助 内沼」とあります。つまり創建は文政10年です。
4
元は鰐の上に神明様が乗った木彫神像が御神体として納められていましたが、戦後まもなく盗難に遭ってしまい、その後、昭和35年1月に社殿再建、昭和57年1月18日に新たに高さ15cm程の龍神立像の御神体が納められました。御神体とともに鉄製祈願鳥居も数枚納められています。例大祭は8月7日で、かつては前の晩にお籠りをして鰐口大権現の権現様をアソバセており、現在その獅子頭は木村家で祀っており、社殿には権現様の写真のみが飾られています。
5
にほんブログ村 地域生活(街) 東北ブログ 東北情報へ